母の手が、いちばんのごちそう。志賀高原・一の瀬「志賀ホワイトホテル」三代目が語る、草分けの宿のいま【志賀ホワイトホテル】

母の手が、いちばんのごちそう。志賀高原・一の瀬「志賀ホワイトホテル」三代目が語る、草分けの宿のいま【志賀ホワイトホテル】

志賀高原のほぼ中央、最もホテルが集まる一の瀬エリア。一の瀬ファミリースキー場とタンネの森オコジョスキー場に挟まれた、ゲレンデまで歩いて1〜2分の場所に「志賀ホワイトホテル」は建っています。

実はこの宿、一の瀬という土地にいちばん早く灯った明かりのひとつ。今回はその三代目に、宿の成り立ちから、いちばんの自慢である料理のこと、そして地域で守り続けてきたものについてうかがいました。

「一番最初に入ってきたのが、ホワイト。うちなんです」

そう静かに語る三代目は、まだ三十代の若き担い手。草分けの宿が、いま大切にしていることをひも解きます。


一の瀬で、いちばん早く灯った宿

志賀ホワイトホテルの歴史は、一の瀬の歴史そのものと重なります。何もなかったこの地に、いちばん早く根を下ろした宿のひとつが、ホワイトホテルでした。

創業はおよそ60年前。当時の屋号は「ホワイトヒル」。やがて「志賀ホワイトホテル」へと名を変え、祖父の代から父、そして現在の三代目へと受け継がれてきました。

「祖父が入り、父が二代目、私で三代目です」

麓で旅館を営んでいたわけではなく、何もない高原への、まったく新しい挑戦だったといいます。小さな山荘のような佇まいから始まり、増築を重ねていまの姿に。およそ20年前には大きな改装も行いました。それまで二階にあったロビーを一階へ移し、二階にはゆったり使えるスペースを設けた――。ゲレンデから降りてくるお客様を、より自然に迎え入れるための工夫でした。

一の瀬の草分けとして歩んできた時間が、この宿の土台になっています。


母の厨房から ― 手づくりにこだわるバイキング

三代目に「いちばんの推しは?」とたずねると、迷いなく料理を挙げました。実際、Googleの口コミでも、料理は最も高く評価されているポイントです。

その厨房を預かるのは、なんと三代目の母。料理長として腕をふるっています。

「母が料理長です。できるだけ手づくりのものを多く出して、味付けにも工夫を凝らしています」

朝も夜も、和食・洋食・中華を織り交ぜたバイキングスタイル。一日たっぷり遊んだあとに、好きなものを好きなだけ選べる楽しさがあります。そして、その一皿一皿に、家庭の手が加わっている。大きな宿でありながら、どこか「実家のごはん」のような温度が宿っているのが、この食卓の魅力です。

長く滞在しても飽きずに楽しめる料理は、合宿や連泊のお客様にとっても大きな安心材料になっています。


「負担をかけない」もてなし ― 地元スタッフのあたたかさ

料理と並んで評判がいいのが、接客です。口コミでも、対応のよさを褒められることが多いといいます。

働くスタッフの多くは、地元出身。家族経営ならではの柔軟さで、こまやかな要望にも応えやすいのが強みです。

「お客様の負担にならない対応を心がけています。家族経営なので融通が利いて、いろいろなご要望にお応えできていると思います」

派手なサービスや、たたみかけるような説明ではなく、笑顔と気配りで、そっと寄り添う。肩の力が抜けるようなもてなしが、この宿には流れています。旅先での居心地のよさは、こうした「人」のあたたかさから生まれるものなのだと、あらためて感じさせてくれます。


三世代で通う、常連たちの宿

埼玉の大学を卒業してすぐ、三代目は一の瀬へ戻ってきました。生まれ育った宿に立ち、お客様と向き合うようになって気づいたのは、長く通い続けてくれる常連の多さでした。

「私が小さい頃から来てくださる常連さんもいて。長く続けられるのも、そういった方々のおかげなんです」

祖父の代から、父の代から、そして三代目になってから――。世代を越えて通い続ける人たちが、この宿を支えています。なかには、昔の写真を持ってきて見せてくれる常連も。

「『こんな風景だったな』という話や写真を聞かせてもらえて、勉強になりますし、面白いなと思います」

宿に泊まるというより、帰ってくる。三世代にわたって受け継がれる関係が、志賀ホワイトホテルのいちばんの財産です。


源流のイワナを守る ― 一の瀬の約束

一の瀬は、志賀高原のなかでも宿が密集するエリア。だからこそ、住人同士の結束が強く、なかでも「水」をめぐる取り組みが、地域を固く結びつけてきました。

この地の源流には、貴重なイワナがすんでいます。それを守るために、一の瀬の宿々は何億もの費用をかけて取水・排水の処理施設を整え、汚水をきれいにしてから流すことを地域の約束としてきました。

「源流にはイワナがすんでいて、それを守るために、汚水をきれいにして流そうというのが、地域の命題なんです」

何もない場所に宿を構え、水を引き、自然を守る。先人たちが積み重ねてきた労力を思うと、頭が下がる――。三代目は、そう静かに語ります。

「その礎を築いた方々の労力を考えると、尊敬しかないですよね」

旅館組合の横のつながりのなかで、「ここは大事だ」という思いが、宿から宿へ、世代から世代へ受け継がれていく。志賀ホワイトホテルもまた、その約束を担うひと組です。


夏は避暑と合宿、冬は屈指のパウダー

志賀ホワイトホテルは、四季それぞれに違う表情で迎えてくれます。

夏は、なんといっても涼しさが魅力。標高の高い高原の空気は、酷暑の街とはまるで別世界です。七月は林間学校、八月は勉強合宿、九月は大学生の音楽合宿と、夏は合宿のお客様でにぎわいます。

「特に何もないので、自然を求めて。療養したり、集中したりするにはいい。デジタルデトックス、なんて言葉もありますよね」

何もないことが、ここでは贅沢になります。スマートフォンを置いて、自然のなかで時を忘れる。そんな過ごし方にぴったりの場所です。

そして冬は――。

「スキーをやる方なら、やっぱりパウダースノー。国内でも屈指の雪質だと思います」

秋には山全体が色づき、紅葉が見事。避暑と合宿の夏、雪質を誇る冬、そして錦をまとう秋。どの季節に訪れても、それぞれの楽しみが待っています。


読者へ ― 時を忘れる時間を

最後に、三代目から読者へのメッセージです。

「自然豊かな志賀高原で、時を忘れてアクティビティや療養を。今の忙しい日本人にとって、心のゆとりができる時間になると思います。ぜひ、一の瀬へ」

母がつくる手づくりの食卓、地元スタッフのあたたかいもてなし、三世代で通う常連たち、そして源流のイワナを守る地域の約束。志賀ホワイトホテルには、設備の華やかさとは別の、人の手と土地の記憶が積み重なっています。

次に志賀高原を訪れるなら、一の瀬で最初に灯ったこの宿で、時を忘れる時間を過ごしてみてください。


志賀ホワイトホテル 施設情報

項目内容
施設名志賀ホワイトホテル
所在地〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町志賀高原一の瀬
TEL0269-34-2702
FAX0269-34-3025
アクセス(公共交通)長野電鉄「湯田中駅」より奥志賀高原行きバスで約60分、「一の瀬」バス停下車、徒歩約2分
アクセス(車)上信越自動車道「信州中野IC」より志賀高原・一の瀬方面へ ※所要時間は 要確認
駐車場100台完備(無料)※大型バスも駐車可能
ゲレンデ一の瀬ファミリースキー場・タンネの森オコジョスキー場に隣接、ゲレンデまで徒歩1〜2分
客室全43室(トイレ付き和室A・B/洋室ツインA〈全室バス・トイレ付き〉)最大宿泊人員250名
大浴場男女大浴場(同時入浴20〜30名)/24時間入浴可能 ※チェックアウト後の入浴も無料
食事朝食・夕食ともに和洋中バイキング(料理長は三代目の母)
館内設備大食堂(テーブル204席)、ラウンジ、ギフトショップ、スキー乾燥室、ロッカー、多目的ルーム
チェックイン/アウト15:00/10:00
喫煙全館禁煙(喫煙場所あり)
公式サイトhttp://www.shigawhite.com/
予約サイトhttp://reservation.shigakogen.gr.jp/searches/hotel_plan/2702/hd:1
Instagramhttps://www.instagram.com/shigawhitehotel/

※宿泊プラン・営業日・食事内容・浴場の利用時間などは時期により変わる場合があります。最新情報は公式サイト、または宿へ直接ご確認ください。