リフトで上がれる日本一標高の高い山、横手山。山頂の「満天ビューテラス」までは、動く歩道とリフトを乗り継ぐ約束された絶景ルートです。雲海、星空、そして日本初のクランペット専門店。半日で行ける天空の旅をご案内します。
「リフトで上がれる日本一高い山」を知っていますか
志賀高原の南のはずれ、群馬県境にそびえる横手山(よこてやま)。標高2307mの横手山・渋峠(しぶとうげ)スキー場は「日本で最も標高の高いスキー場」として知られていますが、夏はもうひとつの顔を持ちます。志賀高原観光協会の公式メディアいわく、「リフトで上がれる日本一標高の高い山」。登山靴もザックもいらず、避暑と絶景を求める幅広い年代の旅行者が、スニーカーのまま雲の上を目指せる山なのです。
山頂で待つのが「満天(まんてん)ビューテラス」。眼下に志賀高原の森と峰々、遠くには日本アルプス。秋は雲海、冬は関東・甲信越で唯一といわれる樹氷、そして夜は天の川。「最大の見どころ」と言い切るのは、名前の通り満天の星空です。
標高2307mの空気は、真夏でもひんやり。一の瀬の宿から半日あれば往復できる、志賀高原でいちばん空に近い旅へ出かけましょう。
旅の起点は横手山ドライブイン。夕日の名所からスタート
一の瀬から国道292号を草津方面へ。硯川(すずりかわ)・熊の湯を過ぎてさらに上ると、山肌に張りつくように立つ「横手山ドライブイン」が見えてきます。ここが今回の旅の玄関口。「信州のサンセットポイント100選」に選ばれた夕日の名所でもあり、駐車場に降り立った瞬間から、すでに眺めはご褒美級です。
車を停めたら、山の斜面を見上げてください。青いベルトが空に向かって延びています。あれが、山頂行きの「1本目」です。
1967年生まれの動く歩道で、ふわりと空へ
その青いベルトの正体は、屋外に設置された動く歩道「スカイレーター」。全長200m、標高差35mを約5分で運んでくれます。設置は1967年。日本で最も古い動く歩道のひとつという、乗り物好きにはたまらない歴史の持ち主です。日本の法規上は「傾斜エレベーター」に分類されるそうで、乗ってみると想像よりも傾斜があり、ちょっとしたアトラクション気分が味わえます。
スカイレーターを降りたら、第3スカイリフトに乗り継ぎ。日本一標高の高い場所を走るこのリフトは、夏はケーブルの位置を下げて高さを調整しているため、高所が苦手な人でも怖さを感じにくいのがうれしいところ。足もとに広がる緑の絨毯を眺めながら、風に吹かれて約束の山頂へ。登山ゼロ分の「歩かない登山」です。
山頂到着。2つのテラスから、雲の上の大パノラマ
リフトを降りたら、まずは山頂駅舎の2階へ。「2307満天ビューテラス」からは、志賀高原の全景と、天気がよければ遠く日本アルプスまで見渡すパノラマが広がります。さらに近年整備された新テラス「Point 2307」もお見逃しなく。より開放的な眺めが楽しめると、公式メディアもすすめる新スポットです。
山の天気は気まぐれで、晴天の大展望の日もあれば、雲海に包まれる日も、霧の中の日もあります。でも、それこそが2307mの醍醐味。訪れるたびに違う空に出会えます。季節ごとのハイライトはこちら。
- 夏:涼風と星空。澄んだ空にかかる天の川は「満天」の名の由来を実感させます
- 秋:ダイナミックな雲海と紅葉。雲の海の上から色づく志賀高原を見下ろす特等席
- 冬:関東・甲信越で唯一といわれる樹氷(じゅひょう)。テラスへは冬もリフトでアクセスできます
ご褒美は、日本初のクランペット専門店
山頂駅舎の2階には、もうひとつのお目当てがあります。日本初のクランペット専門店「クランペットカフェ」です。クランペットとは、イギリスで朝食やおやつとして愛されるパンケーキのこと。毎朝焼きたてで、外はカリッと、中はもっちり。地元・山ノ内町のりんご「シナノスイート」をはじめ、トッピングのバリエーションも豊富です。
じつは「標高2307mでパンを焼くのは難しい」といわれてきたそうです。それでも試行錯誤の末に理想の焼き方にたどり着いたと、公式サイトは紹介しています。気圧の低い雲の上で頬張る焼きたてのクランペットと温かいドリンク。窓の外は一面の空。これだけを目的に上ってくる価値があります。
営業はリフトの運行時間に合わせて。冬季も営業しています。※臨時休業日が告知されることがあるため、お出かけ前に公式サイトのニュース欄をご確認ください。
まだ帰らない。横手山神社と、ぐるり周遊コース
時間と体力に余裕があれば、リフト降り場から渋峠方面へ。看板を目印に鳥居をくぐって5分ほど歩くと、祠(ほこら)のある横手山の頂に着きます。パワースポットとして知られる「横手山神社」です。ここからは関東方面の山々まで一望できます(頂上付近は急斜面なので足もとにご注意を)。
帰り道にもうひと工夫。夏営業の期間は、渋峠側へ渋峠第1ロマンリフトで下り、無料シャトルバスで横手山ドライブインへ戻る周遊コースが楽しめます。往路とは違う斜面、違う景色。「計6回乗車できるスーパーダブル往復券」を選べば、この欲張りルートにそのまま対応できます。
料金・アクセス・2026年夏の営業情報
夏季料金(2026年)
- 横手山頂往復(スカイレーター+スカイリフト往復、または渋峠ロマンスリフト往復):大人2,200円/小学生1,900円
- スーパーダブル往復(スカイレーター・スカイリフト↔山頂↔渋峠ロマンスリフト、計6回分。どちら発でも可):大人2,700円/小学生2,500円
- 片道:大人1,600円/小学生1,400円
- チケットはスカイレーター乗り口で購入。週末・繁忙期はスカイレーターが上り専用になる場合があり、下りはリフトまたは無料シャトルバスを利用できます
2026年夏季の運行
- 7月6日〜10月25日:スカイレーター・第3スカイリフト・渋峠第1ロマンリフトの3本を運行(8:45〜15:20)
- 10月26日〜11月3日:渋峠ロマンスリフトの往復のみ
- 7月15日は工事のため渋峠ロマンスリフト運休。雷・暴風雨時は運転見合わせあり。当日の運行状況は公式サイトとライブカメラで確認を
アクセス・問い合わせ
- 一の瀬から国道292号を草津方面へ、横手山ドライブインが起点
- 株式会社S&T観光 0269-34-2600
朝は一の瀬の高原でゆっくり、午後は標高2307mの空の上でクランペットを。志賀高原の旅程に、日本でいちばん空に近いティータイムを組み込んでみてください。
