志賀高原トレッキング19コース。2026年8月の通行状況と選び方

志賀高原トレッキング19コース。2026年8月の通行状況と選び方

志賀高原は、上信越高原国立公園のなかに広がる高原です。池と湿原と山が入り組んだこの一帯には、歩く道と索道の区間をあわせて19本のコースが案内されています。参考所要35分で歩き終える短い道から、6時間半かけて岩菅山へ登る道まで、幅はかなり広いほうです。2026年8月9日の時点で通行止めになっている道は1本もなく、規制が出ているのが3本、残りはすべて通行できます。この19本から1本を選ぶときに先に見るべきなのは、距離や参考所要ではなく標高差のほうです。ほとんど平らなまま続く道と、短い距離で一気に高度を上げる道とでは、同じ初級の表示であっても、歩き終えたときの脚の残り方がまるで違ってきます。

2026年8月9日時点の19コース早見表

難易度の順に並べ、同じ難易度のなかでは標高差の小さい道から先に置きました。通行状況は2026年8月9日時点のもので、距離と標高差と参考所要は、コース一覧に載っている数値をそのまま掲載しています。

コース状況難易度距離標高差参考所要
奥志賀白樺苑路コース通行可初級3.7km50m1時間20分
せせらぎコース規制あり初級1.8km60m1時間
サンシャイントレール・水無池コース通行可初級3.9km100m1時間30分
旭山登山コース通行可初級3.5km100m2時間
大倉新道コース通行可初級2.7km160m1時間15分
横手山パノラマコース通行可初級1.5km307m1時間
志賀高原ゴールデンライン通行可初級掲載なし700m30分
清水新道コース通行可中級1.1km40m35分
シナノキコース通行可中級2km70m1時間30分
自然探勝コース通行可中級4.1km160m2時間
まが玉の丘コース通行可中級2.8km165m2時間
池めぐりコース通行可中級9.6km360m3時間30分
峠の三十三観音コース通行可中級6km620m3時間
志賀山登山コース通行可上級12.6km300m5時間30分
笠ヶ岳登山コース通行可上級7km350m4時間
焼額山登山コース通行可上級7km400m3時間
赤石山登山コース規制あり上級11.5km550m6時間
鉢山・横手山登山コース規制あり上級6.5km625m3時間
岩菅山登山コース通行可上級9.5km700m6時間30分

森林セラピーの認定を受けているのは、奥志賀白樺苑路、せせらぎ、サンシャイントレール・水無池、自然探勝、池めぐりの5本です。オススメの表示が付いているのは、このうちサンシャイントレール・水無池と池めぐりの2本に、峠の三十三観音と志賀高原ゴールデンラインを加えた4本になります。ただし基準は同じではありません。歩く道が3本と、索道で一気に上がる区間が1本、同じ表示のもとに並んでいるだけです。距離も標高差も別々ですから、オススメの表示だけを手がかりにするよりも、早見表の数値で見比べるほうが、迷う時間は短くて済みます。

通行状況は日々変わるため、ここに載せているのはあくまで2026年8月9日時点の状態で、出発前の最新の状況は次のページで分かります。

志賀高原ビジターセンター トレッキングコース

規制が出ている3本で、何が起きているか

3本とも通行止めではなく、規制の中身は別です。歩けない区間があるものと、足元が荒れているだけのものとでは、備え方も変わってきます。

せせらぎコースは高天ヶ原湿原と一の瀬湿原の間で木道が荒れ、水没している箇所があるため、いまはその区間だけが使えません。この道は早見表のなかでも標高差が小さく、一番やさしい部類に入る1本になります。森林セラピーの認定5本のうちの1本でもありますから、湿原の静けさを目当てに来た人にはこたえる規制です。

鉢山・横手山登山コースでは、横手山と鉢山の間で登山道の一部が浸食を受け、沼のようになったり洗掘が進んだりしています。これは通行を禁じる表示ではなく足元への注意喚起です。参考所要は3時間で上級のなかでは短いほうですが、沼のようになった区間や洗掘の進んだ区間で足が止まるため、この時間どおりには進みにくくなります。

赤石山登山コースには倒木があり、またぎ越すか回り込みながら進む道です。早見表のなかでは2番目に長く、参考所要も2番目に長い道ですから、倒木を越える回数が増えるほど、後半のために残しておきたい体力が前半で削られていきます。

この3本のどれかを歩くつもりだった場合は、代わりの1本を出発前に決めておくほうが確実です。現地まで行って引き返してから代わりを探し直すと、その日に歩ける時間がまるごと削られます。せせらぎの1.8kmで標高差60mに数値が最も近いのは、森林セラピー認定の残る4本では奥志賀白樺苑路コースで、3.7kmの標高差50mです。鉢山・横手山の代わりに横手山へ上がるなら、初級の横手山パノラマコースがあります。どちらも元の道と数値は違うので、歩く時間は変わってきます。

初めての1本は、標高差の小さい道から選ぶ

体にかかる負荷を実際に決めているのは、歩く距離ではなく標高差のほうです。そこを取り違えると、初級と書いてある道を選んだつもりで、初日から膝に来ることになりかねません。横手山パノラマコースは初級の表示ですが、早見表を見ると距離1.5kmに対して標高差が307mあり、1kmあたりの上りに直すと初級の域を大きく超えます。上がってしまえば標高差の心配はなくなりますが、体力の目安がまだつかめていないうちは、初めての1本には向きません。

初めて歩くのであれば、初級7本のなかで標高差が最も小さい奥志賀白樺苑路コースがよく、この道には上りらしい上りがほとんどありません。途中で腰を下ろさずに歩き通せる人なら、ほぼ参考所要のとおりに歩き終えられる道です。白樺の林がずっと続く静かな道で、森林セラピーの認定を受けている5本のうちの1本でもあります。

奥志賀白樺苑路を歩いて物足りなければ、次はサンシャイントレール・水無池コースです。距離は0.2km、参考所要は10分しか変わりませんが、標高差は50mから100mへ倍になります。

子どもと歩くのであれば清水新道コースという手もあり、距離は1.1kmで表のなかで最も短く、参考所要も歩く道のなかでは最も短い35分です。ただし表示は中級で、道の途中に売店もありません。

上りを索道に任せる

歩かずに標高を稼ぐ手は、次の4つです。上りを索道に預けてしまい、上に着いてから平らな道を歩く組み立てにすると、同じ体力のままでも歩ける距離は伸びていきます。

索道運行期間運行時間券種大人子ども
東館山ゴンドラリフト6月20日から11月1日9時00分から16時00分片道1,400円800円
高天ヶ原サマーリフト8月8日から8月16日8時50分から16時10分片道900円600円
前山サマーリフト6月20日から10月18日の土日祝と予約日。7月11日から8月16日は毎日8時45分から12時00分。7月11日から8月16日は16時10分まで片道600円400円
志賀高原ゴールデンライン6月20日から11月1日9時00分から15時50分往復1dayパス3,000円1,800円

志賀高原ゴールデンラインは、山の駅から東館山の山頂までゴンドラを3本乗り継いで上がっていく区間です。歩く道ではないため距離の掲載はありませんが、早見表の標高差は岩菅山登山コースと同じ700mで、参考所要は30分です。上りの時間は、索道に預けてしまえば30分で済みます。

前山サマーリフトを当てにする日に効いてくるのは、その日が運休日かどうかです。土日祝と予約日だけの運行に戻る8月17日以降、運休日に当たってしまうと、硯川の駐車場から1kmを歩いて上がることになります。1本増えるのは標高差100m、参考所要30分の上りで、そこから先に組んだ予定は、そのままの時刻では収まりません。

高天ヶ原サマーリフトが動くのは8月16日までで、その期間にかぎって、東館山へ上がる経路が高天ヶ原の側からもう1本増えます。

通行できる上級4本は、時間の読み方で選ぶ

上級のうち通行可なのは、志賀山、焼額山、笠ヶ岳、岩菅山の4本です。距離と標高差の組み合わせがそれぞれ違いますから、同じ上級という表示だけで並べて選ぶと、時間の読みを外します。

岩菅山登山コースは、早見表に並んだ19本のなかで参考所要が最も長い道です。山頂の標高は2,295mで、そこからさらに歩いた先にある裏岩菅山が2,341mあり、志賀高原で最も高いのはこの裏岩菅山のほうになります。岩菅山の山頂が志賀高原の最高峰として紹介されることもありますが、実際の最高峰はその奥です。

志賀山登山コースは早見表で最も距離が長い道でありながら、標高差は上級6本のなかで最も小さく、上りは楽なのに時間だけがかかる距離型のコースです。焼額山登山コースはちょうどその逆で、志賀山より標高差は大きいのに3時間しかかかりません。同じ距離の笠ヶ岳登山コースと見比べると、笠ヶ岳のほうが標高差は小さいのに参考所要は長く、距離と標高差だけでは時間が決まらないことが分かります。

上級を歩く日に行き先を決める順番は、索道の終わりの時刻からの逆算です。その日に下りで索道を使うつもりなら、参考所要のとおりに歩けたとして間に合うかどうかを、出発する前に引き算しておく必要があります。間に合わないと分かった時点で、行き先か出発時刻のどちらかを変えるほうが安全です。

持ち物と、クマへの備え

山の天気は変わりやすいうえ、気温もふもとに比べて5度から10度ほど低く、真夏でも涼しく感じられます。その涼しさはありがたいのですが、日焼けと虫刺されも防ぎたいところなので、夏でも長袖と長ズボンが基本です。

必要な理由
上下が分かれた雨具上から着るだけの物では、下半身がぬれて体温を奪われます
履き慣れた登山靴サンダルでは歩けません。おろしたての靴は靴ずれを起こします
帽子、手袋日差しと、手をついたときのけがを防ぎます
ウインドブレーカー稜線で風に当たったときに、羽織る物が1枚要ります
トレッキングポール下りで膝にかかる負荷を減らします
飲料水、行動食道の途中に売店はありません
救急用品小さなけがをその場で手当てします
ゴミ袋ゴミは必ず持ち帰ります

山のなかで傘を差すのは落雷の危険があるため、雨具は上下そろえて持ち、傘には頼らないという備え方になります。

志賀高原にはツキノワグマとニホンザルが生息しているため、歩く日にはクマ鈴やラジオなど音の鳴る物が要ります。身に着けて歩くのは、人がそこにいることを先に知らせるためです。早朝と夜間、それに天気の悪い日はいつにも増して注意が要るので、一人での行動は避け、できるだけ複数人で歩く形が安全です。笹薮が不自然に動いていたり、ガサガサと音を立てていたりするときは、その先にクマがいる見込みが高くなります。その場からは、近づかず静かにゆっくり離れるのが正解です。

クマに出会ってしまったときに第一に守るのは、相手を驚かせないという一点です。大声を出さない、物を投げない、走って逃げない。この3つを守ったうえで、背を向けずにクマを見ながらゆっくり落ち着いて後退し、突発的に襲われてしまったときは両腕で顔と頭を守ります。

ニホンザルには近づかず、目も合わせず、餌をやるのは厳禁です。ビニール袋は食べ物と結び付けて覚えられているため、バッグの中に入れて、なるべく手に持たないようにします。車道でサルを見かけたときに、その場へ車を止めて撮影するのも避けたい行動です。

長野県が出しているクマの出没警報と注意報は、2026年8月9日の時点でどちらも出ていません。とはいえ、それは山にクマがいないという意味ではないので、備えは変わらず必要になります。

よくある質問

問:2026年8月9日の時点で、まったく歩けなくなっているコースはありますか。 答:通行止めのコースは1本もなく、規制が出ているのは、せせらぎコース、鉢山・横手山登山コース、赤石山登山コースの3本です。せせらぎコースは高天ヶ原湿原と一の瀬湿原の間が使えず、鉢山・横手山登山コースは登山道が浸食を受け、赤石山登山コースには倒木があります。

問:小さい子どもと一緒に歩くとしたら、19本のうちどれを選べばよいですか。 答:距離と標高差の小さい道から選ぶのが基本で、早見表でいえば奥志賀白樺苑路コースと清水新道コースが、そのなかでも歩きやすい部類に入る2本になります。ただし清水新道は中級の表示です。どちらも道の途中に売店はないため、飲み物と行動食は先に用意していく必要があります。

問:あまり歩かずに、標高の高い所の景色だけを見て帰ることはできますか。 答:志賀高原ゴールデンラインを使えば、ゴンドラを3本乗り継いで東館山の山頂まで上がれるので、歩く区間はほとんどありません。山頂には高山植物園があって、入園そのものに料金はかからず、必要なのは索道の代金だけです。

問:早見表に出ている参考所要のとおりに、その日の予定を組んでしまって大丈夫ですか。 答:早見表の参考所要は歩く時間の目安で、休憩と食事の時間は含まれていません。そのぶんを足したうえで、下りに使う索道の終わりの時刻から逆算する形になります。

問:道に不安が残るとき、コースをよく知っている人に案内してもらうことはできますか。 答:志賀高原ガイド組合が受け付けていて、電話は0269-34-2133、受付は9時から16時まで年中無休、申し込みの期限は参加を希望する日の7日前までです。

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