標高1600メートル、夏でも25℃を超えない高原に、21の宿が肩を寄せ合う一の瀬エリア。何度も夏を過ごしてきて、志賀高原の一日をいちばん贅沢に楽しめる拠点は、やっぱりここでした。湿原さんぽからホタル、標高2000メートルの空中散歩まで。1泊2日の過ごし方をご案内します。
なぜ、夏の拠点は一の瀬なのか
志賀高原で宿を探すとき、最初に迷うのはエリア選びです。サンバレーから奥志賀まで、宿泊エリアはいくつもあります。それでも夏になると、わたしはいつも一の瀬に戻ってきます。
理由は三つ。まず立地です。志賀高原のほぼ中央にあって、どの見どころへも動きやすい。次に宿の数。21の宿が集まる高原随一の宿場で、選択肢に事欠きません。そして標高1600メートルという高さ。志賀高原は夏でも平均気温が25℃を切る避暑地ですが(出典:志賀高原観光協会)、一の瀬はそのなかでも高い位置にあります。東京が猛暑日を記録する日でも、ここでは朝と夜に一枚羽織るものが欲しくなる。それが、この土地に通い続ける何よりの理由です。

1日目午後:チェックインの前に、目の前の湿原へ
一の瀬に着いたら、荷物を宿に預けて、まず歩いてほしい場所があります。エリアの目の前に広がる湿原です。
宿を出て一歩で木道の湿原さんぽが始められる、そんな宿場は、志賀高原でもそう多くありません。コースの詳しい様子は編集部が実際に歩いたレポート(せせらぎコース編①)にゆずりますが、選んでほしいのは夕方です。
歩くときはひとつだけ約束を。志賀高原はクマやサルの生息域です。熊鈴(くますず)など音の出るものを携え、単独行動は避けてください(出典:志賀高原観光協会の注意喚起)。

1日目夜:ホタル、星空、そして「温泉ではない名湯」
一の瀬の夜は、忙しい。
日が落ちたら、まず石の湯(いしのゆ)のゲンジボタルへ。国の天然記念物に指定された、標高1600メートル帯では珍しいホタルの生息地です。見頃や観察のマナーはこちらの記事にまとめてあります(※今年の見頃時期は要確認)。闇に浮かぶ光の帯は、写真より記憶に残ります。
ホタルを見送ったら、次は空を見上げてください。標高1600メートルの夜空には、街の光がほとんど届きません。天の川が、ただそこにあります。
そして宿に帰ったら、湯です。一の瀬には温泉が湧いていません。それなのに、湯上がりのぬくもりが驚くほど長く人口温泉がある宿も。その正体が「トゴールの湯」です。理由を種明かししたこちらの特集もあわせてどうぞ。

2日目:ゴンドラを乗り継いで、標高2000メートルへ
朝はゆっくりでかまいません。二日目の目的地「志賀高原ゴールデンライン」は、逃げも隠れもしませんから。
志賀高原山の駅から3本のゴンドラを乗り継いで、標高2000メートルの東館山山頂へ。頂には北信五や北アルプスを望むテラスとレストラン「ザ・ルーフトップダイニング」があり、7月から8月にかけては東館山高山植物園(入場無料)でニッコウキスゲが見頃を迎えます。緑のゴンドラに揺られて標高を稼ぎ、涼しい風のなかで花を眺める。夏の一日の、これ以上ない締めくくりです。
- 運行期間:2026年6月20日〜11月1日(予定)
- 運行時間:9:00〜15:30(東館山頂駅最終乗車)
- 料金:往復1dayパス 大人3,000円/子ども1,800円
- 問合せ:志賀高原リゾート開発(株) 0269-34-2301
(出典:志賀高原観光協会 サマーリフト情報)

宿選びのポイントと予約方法
一の瀬の21の宿は、ホテルタイプからロッジ・ペンションタイプまで、規模も雰囲気もさまざまです。長く通ってたどり着いた選びどころは、二つ。ひとつめは食事——山の食材を丁寧に出す宿が多いのがこのエリアの美点です。ふたつめは、ゲレンデや湿原への近さ。朝いちばんの散歩を大切にするなら、ここは外せません。
予約は志賀高原観光協会の公式予約システムから空室を検索できます。一の瀬エリアの宿一覧はこちら。夏休みの週末は早くから埋まりますから、7月のうちに押さえておくのが賢明です。
車がなくても、ちゃんと行けます
一の瀬は、夏でも公共交通でたどり着けます。長野駅から志賀高原方面への路線バスが運行していて、乗り方・料金・所要時間はアクセス完全ガイドにまとめました。車なら、上信越道・信州中野ICから約40分。ただし7月17日までは県道502号(奥志賀公園栄線)が平日通行止めですので、奥志賀方面から入る方は規制情報を先に確認しておいてください。さて、あとは宿を選ぶだけ。今年の夏の避暑先に、一の瀬を。朝の湿原と夜の星、そして長く続く湯のぬくもりが、あなたを待っています。
関連リンク・出典
